。ゲームに違和感なく溶け込んでいる凄さ 本作がギリシャ神話をモチーフとしていることは冒頭でも触れたが,敵キャラクターにも神話上の架空の怪物達が多く登場している。ゴルゴンはぐねぐねと動き回りながら石化光線でクレイトスを石にし,ヘビの下半身で締めつけ,ミノタウロスは巨大な斧を振りかざし,土を蹴って突進してくる。キメラは尻尾のヘビが毒を吐き,ライオンの口が火を吹く。空想上の怪物なのに,どれも“それっぽい動き”が秀逸で,さらにそれらがちゃんとアクションゲームの敵キャラクターとして成立しているのが見事だ。 ボスキャラクターとなるのは,ゼウスやポセイドン,ヘルメスにヘラクレスなど,誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろう神々だ。みんな“いい顔”をした個性派揃いで,その雰囲気は特撮ヒーローものに出てくる敵幹部のようでもある。 神に喧嘩を売る男クレイトスは,そんな彼らを死闘の末に追いつめ,抹殺することで復讐を遂げていくのだが,その容赦なさが半端じゃない,アイオン RMT。ポセイドンはボコボコに殴られたあげく目玉を潰され,ヘリオスは瀕死の状態のところで首を引きちぎられてその首をアイテムとして持ち歩かれてしまう。シリーズを通して神々に利用され,裏切られ続けてきたクレイトスの怒りが爆発する,歪んだカタルシスを体感できるシーンだ。そして神々の死は世界の死につながっており,クレイトスが神を殺すたびにオリュンポスの街に災厄が降り注いでいく。プレイヤーは自分がゲームを進めるほど,間接的に世界が破滅する様子を見せつけられるわけで“この先一体どうなるってしまうのか?”と思わせる展開に,コントローラーを手放せなくなるはずだ。 クレイトス最後の戦いの結末は……!? 前作の発売から約3年,プラットフォームをPS3に移し,北米版ともそれほどズレのないタイミングで発売となった本作。ボリューム的には,シリーズ全作品をデフォルトの難度でクリアできた程度の筆者の腕で,“神(普通)”の難度での実佶抓欹r間は14?15時間程度。時間だけ見るとやや短めな印象を受けるかもしれないが,ここまで書いてきたようにゲームプレイの密度は圧倒的に濃く,十分満足のいく内容だった。 ゲーム中の自由度はあまり高くなく,カバル RMT,マルチプレイもないが,そのぶん演出やステージの作り込みに力を入れることで,クレイトスの最後の物語に華をもたせている。長いシリーズを経て,クレイトスや敵キャラクターのアクションは高度なレベルまで進化し,さらに絶妙な難度調整によって,プレイヤーのスキルに応じて楽しめるのもポイントだ
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