2012年12月17日月曜日

「LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIII」のプレゼンテーションをリポート。ライトニングであるからこそ

 2012年9月1日と2日,柧?渋谷にある渋谷ヒカリエにて,スクウェア?エニックスの人気RPGシリーズ「ファイナルファンタジー」の生誕25周年を記念したイベント「FINAL FANTASY展」が開催されている。
 が,初日となる本日(9月1日),の次なる展開を発表する「ライトニングサーガ新展開プレゼンテーション」が行われ,シリーズ最新作「LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIII」が発表された。対応機種はとで,2013年発売予定とのこと。
 ここでは,プロデューサーの北瀬佳範氏や,ディレクターの鳥山 求氏など,主要開発陣が登場して行われたプレゼンテーションの模様をレポートしていこう。

 プレゼンテーションではまず,北瀬佳範氏が登場して来場者に「厳しい意見もありましたが,ここまでFFXIIIシリーズを続けてこられたのは皆様のおかげです」と感謝を述べた。

 続いては鳥山 求氏がステージに立ち,本作の要とも言えるコンセプト「LIGHTNING RETURNS」を紹介した。

 本作は「ライトニングの復活」(LIGHTNING RETURNS)を大きなテーマとして掲げており,主人公であるライトニングの持つ強さや美しさといった要素を前面に出していきたいと,鳥山氏は語る。とにかく「ライトニングを魅せる」ということに徹底的にこだわっており,光,スピード,エレガントさなど,ライトニングを象徴するアクションを「プレイヤーが体験できるもの」としてゲームに落とし込むことが目標になっているという。
 ライトニングを操るからこそ生まれるゲームプレイ,それがライトニングの復活という言葉の意味なのだ。
鳥山氏は,ライトニングは「FFXIII」の主人公というだけではなく,スクウェア?エニックスの顔であり,日本のゲームを代表するアイコンと言ってもいいと,自信たっぷりにコメントした。今回,彼女を復活させたのは,「FFXIIIが発売された当時のムーブメントを蘇らせたい」という願いも込められているそうだ
 続いては,本作の世界観を語るうえで外せない要素,「WORLD DRIVEN」のプレゼンが行われた。鳥山氏は,FFXIIIの世界である“コクーン”が描かれた地球儀,というか「コクーン儀」(鳥山氏)を持ち,WORLD DRIVENの意味を説明した。

 同氏によると,LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIIIの世界には時間の概念があり,時間の経過によって,昼/夜の変化などが表現されているとのこと。
 しかし本作の世界は「死に向かう,終わりゆく世界」であり,残り時間が,13日間しかないのだそうだ。本作では,その最後の13日間をドラマチックに描くことで,時間の大切さや,生きることの意味を表現するという。「限られた時間をライトニングと共に生き,どのように残りの人生を過ごしていくべきなのかを考えてほしい」と鳥山氏は述べる。
 

今作ではライトニングのカスタマイズが可能,プライドオブソウル RMT。コスチュームも多数用意
浜口直樹氏  続いて,本作のメインプログラマーを務める浜口直樹氏が登場し,「ゲームデザインのコンセプト」と「ライトニングのカスタマイズ」に関するプレゼンテーションを行った。

 本作では世界の「余命」が刻々と減っていくが,それは一様ではなく,モンスターを倒すことによって時間が戻ったり,反対にライトニングが奇跡を起こした代償として残り時間が減ったりすることもあるという。
 浜口氏によると,本作の世界では,朝が来れば人が起き,昼になれば活動を開始し,夜になれば眠る。モンスターも昼は身を潜めているので遭遇率が減り,夜になると活発になり遭遇する確率も増えるという。また,時間によって開いたり閉まったりする門や建物の入り口なども存在するようだ。
 本作には,移動手段としてモノレールが用意されているが,これも,時刻によって本数が増えたり減ったりする。このように,時間の要素をゲームに取り入れることによって,ゲーム世界のリアリティを高めているのだ。


開発仕様書には,時間によって行けなくなる場所,うっかりすると閉じ込められてしまう場所などが記されていたという  続いてカスタマイズについて説明が行われた。
 本作では,ライトニングを自由にカスタマイズすることが可能となっており,コスチュームも10や20といった数では収まらないほどの数が用意されているという。衣装によって,ライトニングのパラメータやアビリティなどが変化するとのことだ。
 また,武器もかなりの種類が登場するようで,大きさや形状などさまざまな武器を検討しているとのこと。浜口氏は,「衣装や武器を瞬時に切り替えてバトルを行うことが,本作の大きな魅力」であるとしていた。
 アクションについては,「ボタンに対するレスポンス」を意識した開発が進められているそうなので,前作までとは違ったプレイ感覚が楽しめるかもしれない。

上国料 勇氏  続いては,本作のアートディレクターを務める上国料 勇氏が登壇し,LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIIIが目指す世界観を紹介した。
 本作の舞台となる「ノウス=パルトゥス」は,自然が豊富で美しいが,不毛の砂漠など世界の終焉を感じさせる要素も多い。

 プレゼンでは,舞翔伝 RMT,荘厳な雰囲気の神殿や,空に浮かんだネオ?コクーンのイメージ?アートなども公開。さらに,本作の舞台でもあるノウス=パルトゥスの「光都 ルクセリオ」も披露され,ゴシック様式をベースとしつつ,メカニカルな要素をミックスさせたデザインの都であることが確認できた。このほか家具や旅行カバンなど,人々の生活をリアルに表現した数々のデザインが紹介された。

カバンや小物など,生活感あふれるアイテムも。また,モノレールのコンセプトアートなども公開された
光都 ルクセリオに生活する住人の一部も紹介された。背中に何かを背負った,どこか異様な雰囲気の人物や,印象的なデザインの盗賊など,個性的なキャラクターが多数いるようだ
巨大な斧を持ったものや,鋭い牙が凶暴そうなもの,そして,鎧に身を包んだスカルタイプのものなど,さまざまなモンスターが登場するようだ
上国料氏が,本作の発表に合わせて描いたという油絵が公開され,会場からは拍手が巻き起こった

バトルシステムやライトニングのスニーキングシーンも確認できたデモプレイ
ライトニングの声を担当している声優の坂本真綾さんからのビデオメッセージも公開。坂本さんはライトニングについて,見た目の勇ましさや口調の厳しさが目立つが,非常に女性らしい内面を持っているとコメント。収録では,強くなりすぎない,微妙なさじ加減の演技を心がけたという  プレゼンテーションの最後には,PlayStation 3版LIGHTNING RETURNS FINAL FANTASY XIIIを使った実機デモが行われた。このパートでは残念ながら写真撮影が禁止されていたので,テキストのみでのお伝えとなる。

 プレゼンテーションでも触れられたが,本作は時間の要素が非常に重要となる。そのためなのか,デモに登場した街には,いたるところに時計が存在する。また,画面の下には残り時間を刻むゲージが存在した。

 デモでは,街で起こっている殺人事件を調査するというクエストが披露され,ライトニングがスニーキングをしながらターゲットを尾行していく様子などが確認できた。また,クエストを見る限り,時間によってヒントが出現するなどといった仕掛けもあるようだった。
 ちなみに今回のデモでは,街の人々の声などを開発スタッフが当てているという。当然,製品版ではプロの声優によるものに置き換えられるのだが,これについて鳥山氏は「ここでしか見られない,貴重なものです」としていた。

 クエストに続いて,バトルシーンが公開された。従来作と同じように,ATBを基本としているものの,ボタンをポンポンと押していくことによって,次々に技が発動するバトルシステムは,RPGというよりもアクションゲームを見ているかのようだった。

 バトルではベヒーモス,アパンダといった巨大な敵を打ち上げ,空中で斬りかかる様子などが確認できた。非常に短い時間だったが,本作のゲーム性の一端を垣間見られたという感じだ。ファンの方は,続報にぜひ期待してほしい。
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